2009年5月7日
[ 国内知財情報 ]
審査請求料返還制度のご紹介
特許出願の審査請求を行った後、権利化の必要性が低下したり、新たに発見した先行技術により、出願に係る発明の特許性がないことが判明したりする場合があります。このような場合、特許庁が審査に着手する前に出願の取下げ又は放棄を行い、その取下げ又は放棄から6ヶ月以内に返還請求をすれば、既に納付した審査請求料の1/2が返還されます。ただし、出願を取り下げ又は放棄すると、権利化することはできなくなります。
上述した審査着手前とは、以下のいずれかの通知等が到達する前です。
1)拒絶理由通知(特許法第50条)
2)特許査定の謄本の送達(特許法第52条第2項)
3)明細書における先行技術文献開示義務違反の通知(特許法第48条の7)
4)同一発明かつ同日出願の場合の協議指令(特許法第39条第7項)
なお、審査官がいつ頃審査に着手するかについては、特許庁ホームページの「特許審査着手見通し時期照会」にて出願番号を入力することにより確認ができます。詳しくは「特許審査着手見通し時期照会について」をご確認ください。
また、検討の結果、出願人が出願の取下げ・放棄を決定していたものの、実際に取下げ・放棄の手続を行うまでに日数を要してしまい、出願の取下げ・放棄前に審査に着手され、結果として、返還請求を行えなくなってしまう場合があります(いわゆるすれちがい審査着手)。このすれ違い審査着手を防止するためには、出願の取下げ・放棄を決定した後、速やかに、電話、FAX等により、出願を取下げ・放棄する旨を特許庁審査第一部調整課企画調査班(Tel:03-3581-1101内線3107、Fax:03-3580-8122)に連絡しておくことが有効です。
詳しくは特許庁ホームページの「審査請求料返還制度のご紹介」をご確認ください。
弁理士 毛利大介