2009年1月5日
[ 国内知財情報 ]
特許・実用新案の出願様式の変更についての詳細情報
特許法施行規則の改正により、特許・実用新案の出願について平成21年1月1日から出願の様式が変更されました。
1.出願様式変更理由
今回の出願様式の変更は、三極特許庁(日本国特許庁、米国特許商標庁、欧州特許庁)に共通して特許出願することができる共通の様式を適用するためのものです。この共通出願様式に従った出願は、三極特許庁のいずれにも受け付けられ、その後の補正を要求されることはありません。このため、三極特許庁に出願する際の出願人の利便性の向上等が期待できます。
2.変更概要
旧様式から新様式への変更点の概要は以下の通りです。
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(1)書類の順序の変更
旧様式・・・「特許請求の範囲」→「明細書」→「図面」→「要約書」
新様式・・・「明細書」→「特許請求の範囲」→「要約書」→「図面」
(2)明細書の見出しの追加
【先行技術文献】、【受託番号】の見出しが追加
(3)明細書の見出しの名称の変更
旧様式:【発明の開示】→新様式:【発明の概要】
旧様式:【発明を実施するための最良の形態】→新様式:【発明を実施するための形態】
(4)明細書の見出しの順序の変更
【図面の簡単な説明】を【発明を実施するための形態】の前に記載
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上記の(1),(4)については 書類および項目を単に移動することにより対応できます。
また、上記の(2),(3)については、追加・変更項目が少ないです。
このため、新様式への移行に伴い、旧様式で作成した出願書類を新様式へ変更する作業は容易です。
3.変更詳細
詳細には、以下の示す順序・項目で記載します。
赤色の文字は必須項目、黒色の文字は必要に応じて追加する項目です。
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【書類名】 明細書
【発明の名称】
【技術分野】
【背景技術】
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】
【特許文献2】
【非特許文献】
【非特許文献1】
【非特許文献2】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【課題を解決するための手段】
【発明の効果】
【図面の簡単な説明】
【図1】
【図2】
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【実施例2】
【産業上の利用可能性】
【符号の説明】
【受託番号】
【配列表フリーテキスト】
【配列表】
【書類名】 特許請求の範囲
【請求項1】
【請求項2】
【書類名】 要約書
【要約】
【課題】
【解決手段】
【選択図】
【書類名】 図面
【図1】
【図2】
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4.留意点
新様式移行に伴う留意点は以下の通りです。
(1)新様式への移行後には、新様式に対応した国内出願の電子出願ソフトによる出願しか受理できなくなります。
(2)新様式への移行後には、旧様式でした出願を基礎とした優先権主張を伴う出願は、新様式で行う必要があります。
(3)新様式への移行後には、旧様式でした出願からの分割出願は、新様式で行う必要があります。
(4)新様式への移行後には、旧様式でした出願からの変更出願は、新様式で行う必要があります。
(5)新様式への移行後には、旧様式でした外国語書面出願の翻訳文は、新様式で行う必要があります。
(6)旧様式で出願した明細書の補正は、新様式への移行後であっても、旧様式で行う必要があります。
以上
弁理士 宮本昭一