2009年8月21日
[ 国内知財情報 ]
早期権利化のための制度紹介(特許出願における面接制度)
1.面接制度とは
面接制度とは、出願人等に対し、審査係属中の特許出願の審査について、審査官と意思疎通を図るために、審査官との面接の実施機会を認めた制度です。
面接の実施時に、出願人等は、特許請求の範囲に記載された自己の発明と拒絶理由に引用された先行技術との対比説明などを中心に、自己の発明が特許性を有することを主張するとともに、審査官の見解を直接確認できることから、拒絶理由に対し的を射た対応が可能となります。
また、面接を実施することによって、審査官側での発明に対する理解が深まるため、無用な拒絶理由通知の発生が防止されて、審査が迅速に行われることが期待できます。
したがって、面接制度を利用して面接を実施すると、実施しない場合に比べ、特許出願が早期に権利となる可能性が高くなるものといえます。
以下、面接の実施主体・実施可能期間・実施態様について説明します。
2.面接の実施主体・実施可能期間・実施態様について
【1】面接の実施主体および実施可能期間
(1)面接の実施主体
面接を実施することができるのは、特許出願人またはその代理人に限られます。
(2)面接の実施可能期間
面接の実施可能期間は、特許出願が審査に係属している期間(出願審査請求後であって、特許査定/拒絶査定がなされるまでの期間)です。
但し、拒絶査定がなされた後でも、拒絶査定確定前であって拒絶査定不服審判請求前の期間や、拒絶査定不服審判を請求してから前置審査が終了するまでの期間であれば面接を実施することができます。
【2】面接の実施態様
面接の実施態様には、出願人等が特許庁に出向いて実施するものの他に、下記のようなものがあります。
(1)テレビ面接
各経済産業局等特許室などに設置されているテレビ会議システムを利用して実施する面接です。
(2)出張面接
全国各地域の中小・ベンチャー企業、大学・TLO等の方々を主たる対象として、全国各地の面接会場に出張した審査官と実施する面接です。
弁理士 久納誠司