2011年1月20日
[ 国内知財情報 ]
中小企業等特許先行技術調査事業(※今年度で終了)
中小企業・個人の特許出願について、審査請求前のものに限り、出願人の依頼に応じて、特許庁から委託を受けた民間調査会社が無料で先行技術調査を行うという制度(中小企業等特許先行技術調査事業)があります。
審査請求前に、この中小企業等特許先行技術調査事業を利用して、出願に係る発明と同様の先行技術が存在するかを調査し、そのような先行技術が存在することが明らかであって、権利化が困難であると判断できる場合は審査請求を控えるようにすれば、審査請求料(約20万円)を節約することができます(ただし、審査請求をしない場合は、権利化はできません)。また、国内出願と同じ発明について外国出願を行うか否かの見極めにも有効です。
平成21年度中小企業等特許先行技術調査支援事業における先行技術調査利用件数は、約6,400件(累計23,000件)を突破したようです。
特許庁平成22年度事業の依頼受付期限は平成23年2月28日となっております。
(ただし、例年、依頼受付期限直前は依頼が集中するため、各調査事業者の受付上限件数に達してしまい、依頼受付期限前に受付を終了することもあるとのこと。)
そして、本支援事業は今年度をもって終了するというアナウンスがありました。
この中小企業等特許先行技術調査事業の利用には、以下のように、いくつか注意すべき点があります。
・依頼できる出願人は、中小企業・個人のみであること
・対象となる出願に制限があること
出願日が平成19年4月以降であって、審査請求を行っていない出願が対象となる
審査請求期限満了まで2ヶ月未満の出願は対象外
国際特許出願は対象外
過去に同事業の調査を依頼した出願は対象外
・調査結果が肯定的であっても、必ずしも特許されるとは限らないこと
なお、詳しくは
「平成22年度特許出願に関する先行技術調査の支援事業のお知らせ」(特許庁HP)
に記載されていますのでご確認ください。
管理部
前川博司