2016年2月1日
[ 国内知財情報 ]
食品の用途発明に関する審査の取扱いについて
2016年1月20日付にて、請求項中に用途限定がある食品の発明について、改訂審査基準の運用開始まで出願の審査が止められることが特許庁より発表されました(詳細はこちら)。ただし、既に出されている拒絶理由通知に対し、出願人が何ら応答しない場合は、拒絶査定となります。
機能性食品保護への要求の高まりを受け、改訂審査基準においては、食品に関する発明の請求項に用途限定がある場合には、用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有するものとして認定される予定です。審査基準専門委員会ワーキンググループの会合資料によれば、以下のように取扱いが変更される予定です。
<現行の審査基準> 審査基準第III部第2章第4節3.1.2参照
「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」
「成分Aを添加したヨーグルト」も「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」も食品として利用されるものであるので、「成分Aを添加した骨強化用ヨーグルト」が商品として新たな用途を提供するものとはいえない。したがって、審査官は、「骨強化用」という用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有しないものとして、請求項に係る発明を認定する。
<改訂後の審査方針>審査基準案発表の後にパブリックコメントが募集される予定ですので、内容が変更される可能性があります。
1)用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有すると判断される発明
例:「○○用バナナジュース」「○○用茶飲料」「○○用魚肉ソーセージ」「○○用牛乳」
2)用途限定が請求項に係る発明を特定するための意味を有しないと判断される発明
動物や植物そのものは用途限定が考慮されません。
例:「○○用バナナ」「○○用生茶葉」「○○用サバ」「○○用牛肉」