2009年11月16日
[ 国内知財情報 ]
早期審査の事例紹介
これまでに、
2009年7月10日付け
早期権利化のための制度紹介(特許における早期審査制度)
2009年8月21日付け
早期権利化のための制度紹介(特許出願における面接制度)
といった制度を紹介してきましたが、当法人にて代理した中でも早期に特許査定されたものがあります。
例えば、2月末あるいは3月初めに出願し、2回の拒絶理由通知を受けながら、10月中旬に特許査定になったものが2件ありました。
そのうちの1件のケースについて紹介します。
2009/2/27に出願・審査請求・早期審査
4/14に第1回目の拒絶理由通知
5/22に補正案提示
5/26に審査官面接
5/28に補正案(修正)提示
6/ 4に第1回目の応答(意見書、補正書の提出)
7/14に第2回目の拒絶理由通知(最後)
9/ 4に第2回目の応答(意見書、補正書の提出)
10/13に特許査定
※1…本件の場合は、面接制度を利用することによって審査官との意思疎通を十分に図ったことは、特許査定を得るにあたって有効であったと思います。
2回の拒絶理由通知を受けながら7.5ヶ月で特許査定となったのは非常に早期に進んだと言えます。
本件以外にも、早期審査と面接制度を組み合わせて、早期に特許査定に持ち込めたケースがあります。拒絶理由通知の内容によっては審査官との面接を併用することが早期権利化に有効であると思います。
※2…本件の出願人は中小企業であったため、早期審査申請時の事情説明書の記載が簡単で済みました。もう1件同じように2回の拒絶理由通知を受けながら同時期に特許査定となった案件の出願人は個人でしたので、やはり事情説明書の記載は簡単で済みました。
なお、2009年11月3日付け
早期権利化のための制度紹介(グリーン早期審査)
で紹介しましたように、「グリーン関連出願」の場合には、外国関連出願であること、実施関連出願であること、といった他の条件が課されないので、大企業にとっても使い勝手のよい運用となっております。
弁理士 岡本武也