2010年6月18日 [ 国内知財情報 ]
新規性喪失の例外の適用について

　平成18年10月に特許庁が「発明の新規性喪失の例外の適用を受けるための出願人の手引き」（以下、単に「手引き」とします）を公表して以降、新規性喪失の例外の適用を受けようとする出願人の手続上の負担が軽減されています。

　例えば、出願前に発明を学会で発表した場合、従来は、学会の開催者等による証明書の提出が必要でしたが、「手引き」の公表後は、一定の書式に則った出願人による証明書及び客観的証拠資料（例えば学会の予稿集の写し等）を提出すれば足り、学会の開催者等による証明書の提出は、基本的には不要になりました。
　ただし、出願人が、必要な事項を証明する客観的証拠資料を用意できない場合は、第三者による証明書の提出が必要になる場合があります。例えば、近年、学会の予稿集が、紙媒体ではなく、ＣＤ－ＲＯＭやＵＳＢメモリに記録されたものである場合があります。この場合、ＣＤ－ＲＯＭやＵＳＢメモリには、予稿集の配布日が記載されておらず、配布日を証明する客観的証拠資料を出願人が用意できないことがあります。このようなときは、学会の開催者等に、予稿集を配布した日時を証明する証明書を作成してもらい、それを提出する必要があります。


弁理士 毛利大介