2009年9月24日
[ 国内知財情報 ]
ヒット商品に見る知的財産権シリーズ(特許2)
本シリーズの第2回は、「ヒット商品に見る特許2」と題しまして、「Xスタンパー」の実用新案について、紹介します。
ヒット商品に見る特許2 「Xスタンパー」 「実用新案1120473号」
従来の問題点
従来のインク内蔵の印判は、印面キャップをとった状態では、露出しているため、机や書類に触れてインクで汚してしまう、という問題があった
上の写真は、シャチハタ工業(株)のHPの写真を引用したもので、
上の図面は、昭50-24814の公報中の図面を引用したものです。
注)「Xスタンパー」は、シャチハタ工業(株)の登録商標です。
特許発明の特徴
スライド5は、内蔵されたスプリング6によって、上下方向に可動である(上図を参照)。
特許発明の効果
スライド5は、捺印しないときには、スプリング6によって押されて、印面1’より下方に飛び出た状態となり、捺印するときには、上方向に動き、捺印可能な状態となる。
このようなスライド5があると、捺印しないときに印面キャップをとっていても、机や書類との接触で机等を汚す、ということを防止できる。
教訓
・バネは昔からある機械要素であるが、まだまだ活用の余地がある。
⇒板バネ、コイルバネ、樹脂バネなどを今ある商品に応用するとどうなるか考えるべき!!
・汚れ防止、こぼれ防止、誤用防止、ゴミ防止は、どんな商品についても、常に考えるべき発明のテーマ!
・本特許発明の更なる工夫の着眼点として、インキではなく朱肉を利用したスタンパーを考えると良い。