2013年5月29日 [ 商標・意匠情報 ]
中国における有名商標に関する最新判決について（４）

～～～中国における近年の模倣行為の実体が伺える事例～～～

　中国において、大手ファッションブランドであるルイヴィトン（以下、「ルイヴィトン社」といいます。）と何等関係のない王軍氏（個人）（以下、「王軍氏」といいます。）が、ルイヴィトン社の商標が含まれた下記服飾ポケット製品に関する意匠権（登録番号：03335725号）を取得しました。

【登録番号：03335725号】の主視図



　ルイヴィトン社は、この王軍氏が所有する意匠権を無効とするべく、ルイヴィトン社が有する商標権（図柄）と抵触することを理由として王軍氏が所有する意匠権に対し無効審判を請求しました。
その後、王軍氏が所有する意匠権は、ルイヴィトン社が所有する商標権と抵触することを理由として無効とされています。

　近年、中国においては、本事例のように、著名商標の所有者とは何等関係のない第三者が、著名商標そのもの、または著名商標のうち特徴的な部分のみを自己の意匠出願における意匠に含めて出願し、意匠権を取得するというケースが増えています。

第三者の意匠権を無効とすることは容易ではありませんが、本事例のように、中国において商標権を取得している場合には、その商標権を根拠として、第三者の意匠権を無効とすることが出来る可能性があります。
つまり、中国において事前に商標権を取得していることが重要です。

　当法人では、実績のある海外商標チーム、当方所属の中国人スタッフ(中国弁理士試験合格者)が、中国における審査実務、裁判例に関する知識に基づいて、中国における商標権の取得等について相談に応じることが可能です。
　そこで、中国における商標権の取得等について、ご検討されている場合には、一度当方へご相談下さい。


弁理士 小早川俊一郎
　　　　　王瑞雪