2012年3月30日 [ 商標・意匠情報 ]
立体商標の活用について【審判決に学ぶ商標_その１０】

　Ｙチェアが立体商標として認められた事例（平成２２年（行ケ）第１０２５３号、１０３２１号）から

■平成２２年（行ケ）第１０２５３号、１０３２１号

　ひじ掛け椅子「Ｙチェア」は、長年にわたる商品の販売、広告宣伝、書籍等での紹介等によって、使用による特別顕著性を獲得したと判断され、商標法第３条第２項の適用によって立体商標の登録適格性が認められました。
　商標法第３条第２項の適用によって立体商標の登録適格性が認められ事例としては、他に「コカ・コーラボトル事件」、「ヤクルト事件」等があります。

　立体商標として登録されれば、意匠権と異なり、更新を継続することにより実質的に永久に存続することが可能であり、類似商品の排除に極めて大きな効果が期待できます。

　このため、商標法第３条第２項の適用を受けることができるような事情がある製品のデザインについては立体商標の出願を検討することも一方法です。


意匠・商標部　前田一夫
　　　　弁理士 小早川俊一郎