2011年6月10日 [ 商標・意匠情報 ]
中国における有名商標に関する最新判決について

　世界的に有名なイギリスの自動車メーカー「LANDROVER」が、近年、世界的に売り上げを伸ばしている中国自動車メーカーの吉利社が有する商標「路虎」（LANDROVERを中国語で表記したもの）の商標登録の取消を求めて商標評審委員会（日本での特許庁に相当）に審判を請求しましたが、このランドローバー社の訴えは却下されました。その後、ランドローバー社は、その結果を不服として裁判所（日本でいう地方裁判所）に提訴し、この度、北京市第一中級人民法院において、吉利社が有する商標「路虎」の商標登録は取り消されるべき、との判決が出されました。

　この事件が示すように、中国において一旦登録を得た商標の登録を取り消すには、時間、費用労力等多大な負担を強いられます。そのため、これらの時間等の負担を避けるためには、商標が登録されることを未然に防ぐことが重要です。

　中国においては、審査をパスした商標は、その商標の登録前に公に開示されます。そして、この公に開示される期間において、その登録される可能性がある商標の登録をしないよう異議を申し立てることができます。しかし、異議を申し立てることができる期間は、３カ月という短い期間です。

　当法人では、実績のある海外商標チーム、中国出身のネイティブ担当者が、現在中国においてどのような商標が出願等され、公告されているか否かをチェックするウォッチング調査サービスを行っています。
　ぜひ当法人のウォッチング調査サービスをご利用下さい。

　※ウォッチング調査サービス詳細はこちら「中国商標調査サービス」をご覧ください。

　
弁理士 小早川俊一郎