2011年4月13日
[ 商標・意匠情報 ]
商標とは?~「商標」と「商号」の違いについて~【5分で知る商標入門_その1】
特許事務所には、日々様々な種類のご依頼が寄せられます。多くの事務所が、「特許事務所」や「特許」という文言を、自分の事務所の名称の中で使用していることや、ニュースにおいて、「~会社、米国で特許訴訟を起こされる」という報道の影響からか、世間において、「特許」という言葉の認知度は高まっています。
その一方、特許以外の「意匠」、「商標」といった言葉は、未だ世間で認知されていない言葉であるように感じます。「意匠」や「商標」も「特許」と同様に知的財産権であり、皆様の企業活動を支える重要な権利です。
そのため、以下では「商標」とは何かということを、皆様に理解して頂けるよう説明させて頂きたいと思います。
まずは、皆様からご質問を頂くことが多い「商標」と「商号」の違いについて表を用いてご説明致します。
商標 | 商号 |
---|---|
■自分の会社の商品・サービスと、他人の商品・サービスとを区別するマーク ■商標法において規定されている ■特許庁が管轄 ■商標を構成するものとして認められているのは、図形、色等、文字のみに限らない ■保護される期間は原則として10年間、10年経過後は更新が可能 ■保護範囲(効力が及ぶ範囲)は日本全国 ■商標権を侵害する他人に対し、損害賠償等の権利行使が可能 ■専門は弁理士 | ■営業上、商人が自己を表示するための名称 ■商法において規定されている ■法務局が管轄 ■商号を構成するものとして認められているのは、漢字などの文字のみ ■保護される期間は原則無期限 ■原則権利行使は不可 ※不正競争防止法による保護は可能 ■専門は司法書士 |
上記のように、商標と商号は、多くの点で異なります。
会社設立の際に、商号登記を行いますが、商号登記だけでは、他人による自己の商号の使用を止めさせることができず、自己のみが使用できるものとして安心することはできません。
一方、商標権は他人に自己の商標と同一または類似する商標の使用を止めさせることができます。
このように、商標とは、商号とその性質を異にします。
商標出願について御質問、御興味のある方は、当法人まで御連絡ください。
弁理士 小早川俊一郎