2013年4月23日
[ 商標・意匠情報 ]
中国における有名商標に関する最新判決について(2)
~~~中国における指定商品・指定役務の選定の重要性を認識することが出来る事案~~~
米国に本社を有する大手衣料品小売店「GAP」(以下、「GAP社」といいます。)は、中国において、指定商品第18類「鞄」等、指定役務第42類「衣類デザイン」等について商標権(マーク:「GAP」)を所有しています。
他方、GAP社とは関係のない中国における企業「新恒利眼鏡製造有限公司」(以下、「新恒利社」といいます。)は、中国において、指定商品第9類「眼鏡、サングラス」等について商標権(マーク:GAP、登録番号:5523096、1444548)を所有しています。
GAP社は、『新恒利社がマーク「GAP」を「眼鏡、サングラス」等に使用することで、公衆に出所の誤認混同が生じる恐れが十分ある』として、新恒利社の商標権を取消すべきであるとして、異議申立を請求しました。
しかし、異議申立は認められず、その後の、控訴審においても、GAP社の主張は認められなかったため、GAP社は最高裁に再審を申し立てました。
最高裁は、再審を受理していますが、現在に至るまで、結論は出ていません。
今回の事例から、中国においては、指定商品・指定役務が非類似であることを理由として並存して登録された他者の登録商標を取消すことは非常に困難であることが分かります。
そのため、事業活動内容および将来の事業展開を踏まえ、指定商品・指定役務を選定し、商標権取得を目指すことが重要となります。
当法人では、実績のある海外商標チーム、当方所属の中国人スタッフ(中国弁理士試験合格者)が、中国における審査実務、裁判例についての知識、事業活動内容および将来の事業展開内容を踏まえての指定商品・指定役務の選定等について相談に応じることが可能です。
そこで、中国において今後商標の取得をご検討されている場合には、一度当方へご相談下さい。
弁理士 小早川俊一郎
王瑞雪