2010年9月15日
[ 海外知財情報 ]
模倣品対策(特許庁の資料から)
特許庁HPの国際動向情報の中に、模倣品対策という特集があります。
非常に詳細な情報がまとめられておりますので、紹介しておきます。
(1)模倣品被害の実態 2010.3.29
商品分野別被害動向としては、雑貨が大幅に増加、一般機械・産業機械はやや増加、一方、運輸・運搬機械、電子・電気機器は減少のようです。
模倣被害を受けた企業の59.8%が模倣品は中国で製造されていると回答しており、依然として中国での被害が高水準にあります。なお、中国で製造された模倣品が、中国自国内及び日本で販売消費被害に遭ったと回答している企業の比率が高いが、欧州、台湾、北米、韓国、タイなどの地域でも比較的高いとの結果が出ております。
模倣被害対策の内容は、「国内外での知的財産権の取得」(78.5%)とする回答が最も多く、次いで「模倣品の製造業者・販売業者への警告」(31.9%)、「製造業者の調査」(28.8%)が続いています。
※詳細は、特許庁HP内の資料をご覧ください。
(2)模倣対策マニュアル 2010.4.28
日本貿易振興機構(ジェトロ)が作成したものです。中国・韓国・台湾などにおいては、最新のものとして、平成21年度版のマニュアルがあります。例えば、中国の対策マニュアルは320頁もある、非常に詳細かつ丁寧な説明がなされております。
(3)知的財産権侵害判例・事例集 2010.4.28
これも日本貿易振興機構(ジェトロ)が作成したものです。中国・韓国については、最新のものとして平成21年度版の判例・事例集があります。例えば、中国の知的財産権侵害判例・事例集を見ますと、具体的な紛争事件として、特許権に係る事例が8件、商標権に係る事例が6件、著作権に係る事例が4件、不正競争に係る事例が2件紹介されております。
(4)模倣品(産業財産権侵害品)についての相談 2009.9.3
特許庁には「総務部国際課模倣品対策班」という専門の相談窓口があり、産業財産権侵害事件に関する個別相談への対応や、情報提供機能を強化しているようです。
HPによりますと、下記の具体的対応が可能です。
■「模倣対策マニュアル」を通じた、権利行使に関する各国制度の情報提供
■権利行使に当たって採り得る対応策に関するアドバイス(法律相談等の法律事務は除く)
■税関、警察等国内取締機関の紹介
■日本貿易振興機構(JETRO)、財団法人交流協会の海外事務所等模倣品対策関係団体の紹介
弁理士 岡本武也