2012年10月15日
[ 海外知財情報 ]
知らないと損する!中国における知的財産戦略シリーズ_2
=広い権利範囲の意匠権を低コストで取得=
類似意匠出願制度の活用
類似意匠出願制度の活用
1.概要
中国では、同一の物品に関する最大10件の類似する意匠(バリエーションデザイン)を1件の出願で申請することができる類似意匠出願制度が存在します。
この制度を上手に利用することで、広い権利範囲を、低コストで取得することが出来ます。例えば、10個の類似意匠をまとめて1件で出願する場合は、個別に10件の出願をする場合と比較して出願費用を55%削減、年金費用を90%削減できます。出願すると良い意匠のバリエーションを当方から提案することもできます。
以下に類似意匠出願制度に関する要件および留意点を纏めましたので、簡単にご説明させて頂きます。
2.類似意匠制度に関する要件および留意点
A:類似意匠出願制度を利用する場合には、下記の要件を満たす必要があります。
(1)各意匠に係る物品は、全て同一の物品であること。
(2)各意匠は、出願人が選んだ一つの意匠(基本意匠)と似ていること。
(3)1件の出願に含まれる意匠の数は、「基本意匠」を含めて10個までであること。
B:類似意匠出願制度を利用する場合には、下記の点に留意する必要があります。
(1)基本意匠に似ていると認められなかった意匠については単独の出願に変更しなければなりません。
(2)類似意匠出願制度を利用した1つの出願が登録となった後は、その出願の単位でのみ譲渡等することができ、一部の意匠を取り出して別個に譲渡等することはできません。
以上、中国における類似意匠出願制度について、簡単にご紹介させていただきました。
中国において意匠権取得を御検討の際には、ぜひこの制度の活用についてもご検討ください。類似意匠出願制度に関して不明な点がございましたら、お気軽に当法人までお問い合わせください。
弁理士 小早川俊一郎