2019年6月11日
[ 国内知財情報 ]
特許法等の一部を改正する法律(令和元年5月17日法律第3号)の公布について
平成31年3月1日に閣議決定された、「特許法等の一部を改正する法律案」が、令和元年5月10日に可決・成立し、5月17日に法律第3号として公布されました。
この改正は、一部の規定を除き、公布の日(令和元年5月17日)から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日に施行されます。
主な改正内容は以下の通りです。
◆法律改正の概要
<1> 特許法の一部改正
(1) 中立な技術専門家が現地調査を行う制度(査証)の創設特許権の侵害の可能性がある場合、中立な技術専門家が、被疑侵害者の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行い、裁判所に報告書を提出する制度を創設する。
(2) 損害賠償額算定方法の見直し
(i)侵害者が譲渡した物の数量に基づいて損害額を算定する場合に、現行法では特許権者の生産能力等を超える譲渡数量に応じた額が損害額の算定から控除されるが、改正法においては、特許権者の生産能力等を超えるとされた譲渡数量について、ライセンス料相当額を損害額として加えることができるようにする。
(ii)ライセンス料相当額による損害賠償額の算定に当たり、特許権侵害があったことを前提として交渉した場合に決まるであろう額を考慮できる旨を明記する。
※(2)については実用新案法、意匠法及び商標法において同旨の改正を実施。
(1) 中立な技術専門家が現地調査を行う制度(査証)の創設特許権の侵害の可能性がある場合、中立な技術専門家が、被疑侵害者の工場等に立ち入り、特許権の侵害立証に必要な調査を行い、裁判所に報告書を提出する制度を創設する。
(2) 損害賠償額算定方法の見直し
(i)侵害者が譲渡した物の数量に基づいて損害額を算定する場合に、現行法では特許権者の生産能力等を超える譲渡数量に応じた額が損害額の算定から控除されるが、改正法においては、特許権者の生産能力等を超えるとされた譲渡数量について、ライセンス料相当額を損害額として加えることができるようにする。
(ii)ライセンス料相当額による損害賠償額の算定に当たり、特許権侵害があったことを前提として交渉した場合に決まるであろう額を考慮できる旨を明記する。
※(2)については実用新案法、意匠法及び商標法において同旨の改正を実施。
<2> 意匠法の一部改正
(1) 保護対象の拡充
物品に記録・表示されていない画像や、建築物の外観・内装のデザインを、新たに意匠法の保護対象とする。
(2) 関連意匠制度の見直し
一貫したコンセプトに基づき開発されたデザインを保護可能とするため、
(i)関連意匠の出願可能期間を、本意匠の登録公報発行前日まで(8か月程度)から、本意匠の出願日から10年以内までに延長する。
(ii)関連意匠にのみ類似する意匠の登録を認める。
(3)意匠権の存続期間の変更
「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更する。
(4)意匠登録出願手続の簡素化
(i)複数の意匠の一括出願を認める。
(ii)物品の名称を柔軟に記載できることとするため、物品の区分を廃止する。
(5) 間接侵害※規定の拡充
※侵害を誘発する蓋然性が極めて高い予備的・幇助的行為を侵害とみなす制度
「その物品等がその意匠の実施に用いられることを知っていること」等の主観的要素を規定することにより、取り締まりを回避する目的で侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為を取り締まれるようにする。
(1) 保護対象の拡充
物品に記録・表示されていない画像や、建築物の外観・内装のデザインを、新たに意匠法の保護対象とする。
(2) 関連意匠制度の見直し
一貫したコンセプトに基づき開発されたデザインを保護可能とするため、
(i)関連意匠の出願可能期間を、本意匠の登録公報発行前日まで(8か月程度)から、本意匠の出願日から10年以内までに延長する。
(ii)関連意匠にのみ類似する意匠の登録を認める。
(3)意匠権の存続期間の変更
「登録日から20年」から「出願日から25年」に変更する。
(4)意匠登録出願手続の簡素化
(i)複数の意匠の一括出願を認める。
(ii)物品の名称を柔軟に記載できることとするため、物品の区分を廃止する。
(5) 間接侵害※規定の拡充
※侵害を誘発する蓋然性が極めて高い予備的・幇助的行為を侵害とみなす制度
「その物品等がその意匠の実施に用いられることを知っていること」等の主観的要素を規定することにより、取り締まりを回避する目的で侵害品を構成部品に分割して製造・輸入等する行為を取り締まれるようにする。
<3> その他
公益団体等(自治体、大学等)が自身を表示する著名な商標権のライセンスを認める等の措置を講ずる。
公益団体等(自治体、大学等)が自身を表示する著名な商標権のライセンスを認める等の措置を講ずる。
規則については、内容が判明し次第、お知らせする予定です
なお、詳細な情報は特許庁HPでご確認下さい。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/hokaisei/tokkyo/tokkyohoutou_kaiei_r010517.html