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2021.02.09 海外知財情報

中国 特許出願の件数の追及から品質の向上への転換を推進

中国では、特許出願件数は年々増加しており、2018年には特許出願件数は146万件超に達していましたが、このたび、中国国家知的財産権局(CNIPA)は、異常な特許出願行為を厳しく取り締まる旨の通知を出しました。
 
※CNIPAの中国語サイト
 
背景には、出願の数ばかりが盲目的に追及され、質の高い開発や出願に十分に注意が払われず、補助金目当ての異常な特許出願行為が横行していた実態があります。
CNIPAの通知では、そのような異常な特許出願行為により、行政秩序が著しく乱され、公共の利益を損ない、企業のイノベーションを妨害し、公共資源を浪費し、特許制度が弱体化し続けていることが指摘されています。
このような問題をうけ、CNIPAは、異常な特許出願行為を厳しく取り締まり、特許出願件数の数量の追及から品質の向上への転換を強力に推進する、と通知を出しました。
 
通知では、2021年6月末までに、出願(特許・実用新案・意匠の出願)を行ったことに対して支払われる補助金を完全に廃止する旨が記載されています。
さらに、特許が付与された場合の補助金については当面支払いが継続されるものの、今後順次減額していき、2025年までに完全に廃止する旨が記載されています。
そして、対象となる出願としては、中国国内出願のみならず、外国出願(中国国内の出願人が中国国外に対して行う出願)も含むとされています。
 
CNIPAの今回の通知と施策により、中国においては、補助金の受領のみを目的としたような特許出願が無くなっていくことが予想され、その分だけ特許出願の総数が減少すると思われますが、最終的にどのような件数に落ち着いていくかについては、今後の推移に注目したいところです。
 
 
弁理士 岩田誠
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